「カウンセリングが苦手です」
アイリストやアイブロウリストから、よく聞かれる悩みの一つです。
何を質問すればいいのか分からない。
お客様の希望をうまく引き出せない。
会話が続かない。
提案すると押し売りのように感じられそうで不安。
そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、カウンセリングが苦手な人が見落としているのは、「話す力」よりも「見る・聞く・確認する力」の方が大切だということです。
カウンセリングは、会話が上手な人だけができるものではありません。
ポイントを押さえて、お客様の言葉の奥にある希望を理解する。
それが、満足度の高い施術につながります。

「何を聞くか」ばかり考えていませんか?
カウンセリングが苦手な人ほど、
「次は何を質問しよう?」
と、質問内容ばかりを考えてしまいがちです。
しかし、お客様との会話には、実はたくさんのヒントがあります。
例えば、
「ナチュラルにしたい」
という一言。
ここで終わってしまうのではなく、
「ナチュラルというのは、普段のメイクに近い感じですか?」
「エクステをつけていることが分からないくらい自然な感じですか?」
など、具体的なイメージを確認していく。
同じ「ナチュラル」でも、お客様によって意味が違うからです。
お客様の言葉をそのまま受け取るのではなく、具体化する。
これがカウンセリングの基本です。
「なりたい」だけでなく「困っていること」を聞く
カウンセリングでは、
「どんなデザインにしたいですか?」
と聞くことが多いと思います。
もちろん重要な質問です。
しかし、それだけではお客様の本当のニーズが見えないことがあります。
例えば、
「自然な眉にしたい」
という希望の裏側に、
「眉毛を描くのが苦手」
「左右差が気になる」
「毎朝眉に時間がかかる」
という悩みが隠れているかもしれません。
そこで、
「今、眉で一番困っていることは何ですか?」
と聞いてみる。
「なりたい」だけでなく「困っている」を知ることで、提案の方向性が変わります。
お客様は「うまく説明できない」ことがある
もう一つ見落としやすいのが、
お客様自身も自分の希望を言葉にできないことがある
ということです。
「何となく垢抜けたい」
「何となく目元を変えたい」
「お任せで」
という方もいます。
ここで「分かりました」と終わらせるのではなく、プロとして具体的な選択肢を提示する。
例えば、
「柔らかい印象と、すっきりした印象なら、どちらが近いですか?」
と選んでもらう。
写真やデザインを見せながら確認する。
このように、言葉だけでなく視覚的な情報も使うことで、お客様のイメージを共有しやすくなります。
「質問する」より「観察する」
カウンセリングが苦手な人ほど、会話で情報を集めようとします。
しかし、アイリスト・アイブロウリストには、もう一つ大きな情報源があります。
それが、お客様の目元そのものです。
例えば眉なら、
- 毛量
- 毛流れ
- 左右差
- 眉山の位置
- 眉尻の状態
- 自眉の形
などを見る。
まつげなら、
などを確認します。
そして、
「こちらは少し毛流れに左右差がありますね」
「前回の施術の影響が少し残っていますね」
など、観察したことをカウンセリングにつなげる。
技術者にしかできないカウンセリングが、ここにあります。
「できます」だけではなく「理由」を伝える
お客様から、
「このデザインにできますか?」
と聞かれたとき、
「できます」
「できません」
だけで終わってしまうと、提案の幅が狭くなります。
例えば、
「ご希望の形をそのままつくることもできますが、今の眉の状態だと少しこちらの形にすると、より自然に見えると思います」
というように、
「なぜそう提案するのか」
を伝える。
プロとしての判断理由を伝えることで、お客様も納得しやすくなります。
カウンセリングは「提案すること」までが仕事
カウンセリングが苦手な人は、
「お客様の希望を聞くこと」
だけで終わってしまうことがあります。
しかし、プロのカウンセリングでは、聞いた情報をもとに提案するところまでが重要です。
例えば、
「ナチュラルな印象にしたい」
「毎朝の眉メイクを楽にしたい」
という希望が分かったら、
「でしたら、眉山を強く作りすぎず、毛流れを活かしたデザインにすると、普段のお手入れもしやすいと思います」
と具体的に提案する。
聞く → 分析する → 提案する → 確認する
この流れを意識するだけでも、カウンセリングは大きく変わります。
「お任せ」はチャンスになる
「お任せでお願いします」
と言われると、
「何をしたらいいか分からない」
と不安になる方もいるかもしれません。
しかし、お任せはむしろ、技術者としての提案力を発揮できる機会です。
ただし、完全に任せてもらうのではなく、
「普段はナチュラルなメイクが多いですか?」
「柔らかい印象と、すっきりした印象ならどちらがお好みですか?」
など、いくつか質問をして方向性を確認する。
そして、
「お話を伺ったところ、今回は○○なデザインが一番お似合いだと思います」
と理由を添えて提案する。
お客様にとっては、「自分では選べないからこそ、プロに選んでもらえる」ことが価値になります。
カウンセリングが上手な人は「話す人」ではなく「聞ける人」
カウンセリングが上手な技術者は、必ずしも話が上手な人ではありません。
むしろ、
お客様の話を遮らずに聞く。
言葉の意味を確認する。
表情や反応を見る。
施術前の状態を観察する。
そして、必要なタイミングで提案する。
つまり、カウンセリングの本質は「話術」ではありません。
お客様を知ろうとする姿勢です。
カウンセリング力は「経験」だけで身につくものではない
もちろん、経験を積むことでカウンセリングは上達していきます。
しかし、ただ接客回数を増やすだけではなく、
「なぜ、このお客様にはこの提案をしたのか」
「どんな質問をしたら、もっと希望を引き出せたのか」
と振り返ることが大切です。
そして、スタッフ同士でカウンセリング事例を共有する。
「こんな悩みのお客様には、こう質問した」
「この言葉を使ったらイメージが伝わりやすかった」
そんな経験を共有することで、サロン全体のカウンセリング力を高めることができます。
まとめ
カウンセリングが苦手な人が見落としているのは、「上手に話さなければいけない」という思い込みかもしれません。
大切なのは、
聞くこと。
見ること。
確認すること。
そして、
プロとして提案すること。
お客様の「こうなりたい」という言葉だけではなく、
「本当は何に困っているのか」
「どんな印象になりたいのか」
「普段どんな生活をしているのか」
まで理解できれば、施術の提案は自然と変わってきます。
カウンセリング力=会話力ではありません。
お客様を知り、その人に合った選択肢を考える力です。
Japan Eyelist College(JEC)恵比寿本校では、まつげエクステ、ラッシュリフト、美眉スタイリングなどの技術だけでなく、カウンセリングやデザイン、提案力まで、現場で必要となる力を総合的に学ぶことを大切にしています。
「何を聞けばいいか分からない」から、
「このお客様には、何を提案すればもっと喜んでいただけるだろう?」
と考えられるようになる。
その変化が、技術者としての成長につながります。
そして、お客様に「またこの人にお願いしたい」と思っていただける理由は、施術の仕上がりだけではありません。
自分のことを理解してくれる。
そんな安心感こそが、長く選ばれるアイリストをつくる大切な要素なのです。